|私たちの生活環境を支える下水道

ご無沙汰しております。住まいる水道です。
私たちが普段何気なく当たり前のように使っている下水道施設。基本流すだけですから、この後の処理は気にしないですよね。
しかしながら、下水道は「縁の下の力持ち」と言える存在であり、下水道経路も複雑で、莫大な費用を掛けて大規模な施設を要します。
今回は私たちの生活環境を支える下水道について説明したいと思います。
|東京都の下水道普及率はナンバーワン!
東京都の下水道普及率はなんと驚異の99.5%(日本下水道協会・平成27年調べ)です。
1位 東京都 99.5%
2位 神奈川県 96.4%
3位 大阪府 95.0%
2位が神奈川県 3位が大阪府で人口が多い大都市は下水道が普及しているのがわかりますね。そして残念ながら悪い結果なのが以下の県です。
徳島県 17.2%
和歌山県 24.6%
高知県 36.1%
普及率が悪かった理由としては、山間部が多く地形が複雑かつ施工距離が延びてしまう事での下水道施設建設の難しさがあるのではないでしょうか。
それと人口減少による過疎化と税収の落ち込み等も拍車をかけていると思われます。
下水道も水道も使う人が多い地区でなければ普及(建設)しないのも当然ですし、
山間部に普及するのには平たんな場所より埋設深さが 深くなりそれもまた建設コストが
大幅に掛かりますので下水道事業体(自治体)の税収だけでは下水道普及は難しいようです。
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急勾配地は掘削深さが深くなり、場合によっては副管を追加施工しなければなりません。 |
その点東京都を含む大都市では人口密集しているので、少ない施設距離で多くの普及ができるので普及率が格段に上がる結果になったと思われます。
又、人口が増えることでその分早急に衛生上の問題をクリアする必要もあり、大都市部は初期コストを大幅に掛けても下水道料金として回収できる見込みがあると踏んで普及に積極的の建設してきた結果ではないでしょうか?
|東京都と地方との下水道料金の差はどれくらい?
地方と東京で下水道料金に差はあるのか?
使用量を2か月・50m3使ったとして比べてみました。
東京都23区の下水道料金は 約5200円
和歌山市の下水道料金は 約8100円
徳島市の下水道料金は 約5500円
高知市の下水道料金は 約4500円
札幌市の下水道料金は 約3700円
那覇市の下水道料金は 約4300円
普及率と料金が直結しているのかと思い調べてみましたが比べると各県や市町村の台所事情が
みえる感じがします。
北と南の大都市の札幌市・那覇市は結構安いように感じます。
国の政策で北海道沖縄開発庁があるくらいですから、その道路整備や下水道整備時にコストがある程度負担されているからもしれませんね。
和歌山市だけは料金が高い気はします。実情はわかりませんが建設コストにそのまま上乗せされている可能性があるやもしれません。
東京都は人口も多いので料金がもっと安いのかと思いましたが、TVでも放送された事もある雨水の巨大貯留施設を建設している実情もあるので、料金増(コスト増)はあると推測します。

|公共下水道への切り替え工事


上部は私が現場監督として関わった、とある学校の公共下水道への切り替える工事の図面です。
以前は学校内に大規模な浄化槽施設を抱え、築30年以上の設備も老朽化してきた為と、
公共下水道が近隣に整備されたこともあり、下水道の改修工事を行った例であります。
残念ながら施工中の写真と詳細の図面はお見せできませんが、掘削深さも約5メートルほどあり、掘削した穴に入ると中々の高さ(深さ)があって、土留め支保はしていても怖かった印象があります。
施工時期は学校の年末年始時期~3月までに施工していたので、短期間で集中的に工事をしました。学校での工事は非常に音にも配慮しなければならないし、体育の授業、部活動、出入りの制限、施工時間の制限、近隣住民からのほこりの苦情など非常に苦労した思い出があります。
工事現場の監督はいろんな制限の中で早く、コストも迷惑もかけず調整しなければなりませんからストレスが大きい仕事ではあります。
下水道工事の説明如何でしたでしょうか?今回は比較的規模の大きい、私の過去の施工事例を交え下水道の実態をお話ししてみました。
今後とも、住まいる水道を宜しくお願いいたします。